「一般住宅をはじめ、空港や駅、スカイツリー、
テーマパークにも役立てられています。」(川口)
川口王さんは、モノ・コトをつくっている時の、大切にしていることやこだわりはあるんですか?
王私の場合、番組とかイベントに関して言えば、一番大変なのは毎週違うものをつくっていく、ということです。毎回ゼロからつくります。
川口ええ!?(笑)
王ベースはできているんですけども、新しいものを生み出していく、というのが宿命です。新しいものをつくっていかない限りはお客さん、つまり視聴者から見捨てられてしまうので。ローテーションが一番大変だということと、常に新しい、世の中にないものを目指しているんです。
なので私の一番大事にしていることは、「今までにない・他にない・見たことない」という「3ない」です。企画やコト・モノをつくるときに、「コレって他にやってないよね」を確認していくんです。
川口そうなんですね。
王おそらく商品もそうだと思うんですけど、他でやっているようなことを「ちょっと手の先を変える程度」でやってもイノベーションは絶対起きませんよね。常に「ない」ものを追求していました。ということは敵も多く、壁も沢山あったんですけどね。
一番の敵はやっぱり「既成概念」ですね。
川口なるほど、そうですか。
王周りは全員「既成概念の権現様」。そこで突拍子もないことを言うと、「理解できない」と言われてしまう。ただ、やったことによって成功すること。もう一つはなんらかのマネタイズができて、儲けがあった。となってくると、やっぱり上層部も関心を示してくれる、という闘いですね。(笑)
川口それはでもなかなか…
王なので、いつも辞表を持ってましたよ。
川口(笑)
王「どっち取る?」という。つまり、企画をやめるのであれば、辞表を取ることになるし、という闘いをず~っとやってきたんですけどね。
ところで合板の製品は、どういう所に使われているんですか?
川口約6割が住宅関連製品、残り約4割が住宅以外の建造物に使われています。住宅関連ですと床やドア、天井になります。年間で我々がつくる床の量は、計算すると東京ドーム50個分以上の面積なんですね。住宅の戸数では年間でだいたい3万5~6千棟。主力製品にはドア用の化粧板があり、年間約35~40万本のドアをつくっている勘定になります。
住宅以外では一般の建築物、オフィスビルの天井や壁、トイレ近辺によく使われるんですけど、ランドマーク的なところだと、スカイツリーのトイレ周りだとか。あとは公共の交通機関などが多いですね。東京駅のコンコースの壁にも結構使われています。
王それはあの…
川口不燃材ですね、公共建築物だと火災に強くなければいけないので。成田空港や羽田空港、新幹線の発着駅には非常に多く使われていますね。
王不燃材は加工することによって、不燃になるんですか?
川口いいえ、素材そのものが火災に強いものを使いながら、さらに見栄えを良くしなければならないんですね。例えば着色するペンキ材は燃えやすく可燃物になります。それをいかに燃えない素材の上に国の基準で「これ以上燃えてはいけない」という規格があるんですけど、それに合致するような範疇で装飾をするのが技術力の見せ所になってきます。
王レゴランドにもあるとか…
川口はい。レゴランドはトイレ付近、天井材にも使われています。地元だとその他、名古屋駅や中部国際空港にも使われています。